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zoom RSS 挑戦! 非識字者と識字者が共同で行ったパキスタンの絵地図分析ワークショップ

<<   作成日時 : 2013/02/08 11:58   >>

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●パキスタンの農村女性のための絵地図ワークショップ(村がかかえる深刻な課題の解決に向けて(半数の女性は文字の読み書きができる識字者で、半数は読み書きのできない非識字者であった)

(識字者と非識字者がいかに絵地図共同作業を進めるか)

1)背景
これは2000年に、パキスタンの農村女性(主婦)10人によって行われた識字教育を意識して行った絵地図分析ワークショップである。識字教育の進め方にはさまざまな方法があるが、これは視覚的にも構造的にも、新しい形の参加形式で行われ、識字教育のありかたに一石を投じた。

参加者の10人のうち半数は農村に住む女性の識字者で、残りの半数は(文字の読み書きが全くできない)女であった。今回は、農村女性が、どのように村で自立していくかという課題と同時に、村が直面している社会的な課題や諸矛盾とは何かという非常に難しい課題をテーマに選んだ。参加者自身がテーマを自由に討議しながら選び出した。


2)方法論:

私がファシリテーターとしてまず最初になぜこのようなワークショップを開くのか、その目的ややりかたを英語で説明した、通訳が現地のウルドゥー語に翻訳した。みんな少し怯えているようなので、最終的に作られるものはこのようなものだと、実際に完成した絵地図を参加者に見せて説明した。これによって参加者自身は非常にリラックスをしたように思えた。

通常、非識字者は文字の果たす役割や効能については全く知らない。そこで文字の読める識字者が、読めない非識字者に協力するという形をとるということを説明して、識字者はかれらの考えをいちいち聞きながら、それを紙片に書き出す形でワークショップを進行させることとした。かれらは隣近所の人や友人であるよく見知っているので議論も聞き取りもリラックスして進行した。


また識字者は、自分自身の考えも書き出したり、カテゴリーを作ったりして全体の絵地図化を行ったので、相当にハードなワークショップともなったが、彼ら自身はこれに参加したことに大きな喜びと誇りを感じていた。通常、村の課題などは女性たちが話題にすることはあっても、ほとんど許されていなかったからである。また絵を書いたりとデザインをすることだけは、外部から1人の男性イラストレーターが参加して協力した。それ以外は、一切の協力者はなしに、10人の女性自身たちによる話し合いによって絵地図を作成していった。


3)人々の内面にある課題を地図というようなものに表すやり方は誰も知らなかったが、言葉による討議はだれもが熱心に行った。そしてそれをもとに紙片にテーマの問題点や課題などをたくさん書いていったが、パキスタンの農村生活に大きな不満を感じていた女性たちは、たくさんの発見やコメントを書き出していった。それを書き出すことによって、また非識字者は、日常のフラストレーションや問題を解決できるような自信も感じたように思えた。文字や絵によって、自分の考えが意識的に表現されていくのを見ることは、だれにとっても大きな刺激と激励を与えるものであることが認識できた。


村で指摘された問題点には、

1)村に飲料水の設備がなく困っていること、
2)道路が整備されていないこと、
3)女性が村の発展に関与できないこと、
4)女性は子どもの生育や健康に関し知識や情報が少ない。
5)生産性や収入の向上を誰もが望んでいること
6)若者の活性化が必要なこと7)村にある政府の農村開発センターの出張所は役に立たずなにもやってくれない
不満などが指摘された。


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4)成果:

こうした数多くの問題点をカテゴリー別に表現したチャートは、2枚作られた。1枚は問題や不満だけで完成させたもの、そして残りの1枚はこの問題のチャートの絵地図をもとにした具体的な解決策の絵地図である。

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こうして完成した2枚の絵地図は、村の中心にある農村開発のセンターの中央掲示板に貼られた。するとこれを読みにやってきた人々は(大半の人が読み書きは出来なかったが、村の中のよく読み書きができる人が率先して説明した)そのために、自分たちの問題が微細にわたって10人の女性によってわかりやすく表現されているので、これらはすぐに実行に移すべくアクションプランも作成されることになった。

村人にとって、全体の村の発展計画が、普段参加する機会のない女性たち(しかもその中の半数は読み書きもできない非識字者であった)が参加作成したことは、村全体に大きな共感を生み出した。そして村の中には、このワークショップの開催の半年後には飲料水を確保するための水道の設備や女性たちの自立を助けるNGO新しい組織を生み出すに至った。村を大きく変える絵地図が誕生した瞬間であった。

つまり知識や情報はただ単なる認識や情報ではなくて、実際に村を変化させたり、具体的に改善するために活用されて、識字教育の新しい方向性を生み出す重要な役割を果たすことになったのである。2000年


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