ウルドゥー文学の鈴木斌氏とICLCのキラン図書館

ウルドゥー文学の東京外国語大学名誉教授であった鈴木斌氏は、ICLCの活動やキラン図書館の設立などにも全力を傾けて下さった。2000年、パキスタンのラワルピンディの郊外にあるアデアラ刑務所の中に、青少年を対象としたキラン図書館の建物を設置したときには、いち早く訪問して下さり、数々のご助言を下さった。

先生は酒豪として大変有名な方であった。先生の研究室からは、いつも酒の匂いの絶えることはなかったという話を友人から聞いたことがあったが、神楽坂の昔屋という居酒屋で年に一度ご一緒するときには(年に一度、長年にわたって酒飲の席を設けていただいた)、先生の酒量がものすごくて驚いたものだ。そしてそのときがなつかしい。酒の上での話題は、万葉集における短歌や俳句の翻訳など広範の話題をつまみにしていた。先生が飲まれるのはもっぱら日本酒であった。

そのとき先生は、「今日私は、警察署に行って在日のパキスタン人の通訳をしていたんですよ。」と言われた。日本で犯罪に巻き込まれたり、犯罪者になったりするパキスタン人の通訳を、警察や裁判所から依頼され、学校で文学の教鞭をとられる傍ら通訳の協力しておられたのだと思う。奥様の公子さまからお聞きしたところでは、先生は、「警察署での通訳の仕事に行った日には、大変気分が沈んでいたようだ」と度々仰られていた。

鈴木先生は、生前からICLC国際識字文化センターの活動についても大きな励みを下さっていたが、2000年にイスラマバードを訪問されたときには、キラン図書館を訪問して下さった。パキスタン社会の犯罪の陰で苦しむ若者たちへの深い関心や愛情であったからだ。そして、2005年に先生が亡くなられた後は、奥様の鈴木公子氏が、キラン図書館を引き続いてご支援下さっている。公子氏は、2007年に初めて、パキスタンとキラン図書館を訪問された。

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                  2000年鈴木先生、キラン図書館を訪問

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                  2007年鈴木公子氏、キラン図書館を訪問

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                   2007年パキスタンICLCのスタッフたちと

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