和解とは誠意をもって、歴史を語り続けることー


日中韓の歴史の清算や和解について、ブダペスト生まれのジャーナリストで、現在スタンフォード日本センター所長のアンドリュー・ホルバート氏が、2010年3月17日の朝日新聞に卓見を述べている。

さすが、ハンガリー生まれにして、1956年のハンガリ動乱でカナダへ亡命、そして日本で日中韓の問題を長年取材してきた経歴から生み出される考え方は、歴史に関する最も深い建設的な知恵に満ちている言えよう。ヨーロッパが生み出した清算や和解を参考としながらも、民主党政権は、日中韓において建設的な方向性を作っていくことが必要だ。これは歴史の清算と和解に向けての重要な示唆に富んだ参考となる。


(1)「日本人は互いを好きになるのが和解だと考えがちだが、それは幻想だ。人間として理解するだけでいい。そうすると悪いことはできなくなる。これは首脳会談よりはるかに大事だ。」
*最も重要なのは、草の根交流の促進だ。ドイツとフランスの間には、現在、約2千件以上の姉妹都市関係があり、ドイツとポーランドは毎年10万人の学生が交流している)

(2)「歴史認識を一致させる必要はない。大切なのは歴史の共有である。つまり相手の見方に理解を示すことだ。 
和解とは歴史を語り続けることで、問題があれば議論すればいいことだ。日本が謝罪することだけが、和解ではない。相手が間違っていたら、指摘することも必要だ。誠意を持って対応すれば、相手は応える。」
*独仏の歴史協議は1950年代から何十年もかけ、独とポーランドは中世の騎士の行動まで議論した。歴史の   課題をすぐに解決することではない。

(3)「政治の役割とは、「理念」を示すことだ。日本では、首相が謝罪しても、同じ内閣の人間が否定する発言をしてきたことが問題だ。歴史に関する国民の同意がないからだ。国民の意見を整理することが先決だ。」
*1970年、ブラント首相はワルシャワのユダヤ人居住区跡を訪れ、慰霊碑の前でひざまずいた。過去を謝罪する姿を世界に印象付け、同時に自国民にも、求められる姿勢を明確に示した。
*当時の西ドイツでも国民全員が謝罪に賛成ではなかっただろうが、日本ほど議論が真っ二つではなかった。

(4)ヨーロッパは、二つの世界大戦やドイツによるホロコースト(ユダヤ人虐殺)を経験した。そのため(自国の利益を優先する)国民国家は災いの源とされ、統合が進んだ。日中韓では、「お上」への期待が大きく、個人の繁栄は国家のお陰と思っている。日中韓は、国力を犠牲にしてまで、平和構築のため欧州のような統合はしないだろう。日中韓では国民同士の交流は可能だ。例えば対馬の「アリラン祭り」は、朝鮮通信使という歴史を日本と韓国が共有する好例だ。


(5)日本が謝罪することだけが和解ではない。誠意を持って対応すれば、相手は応えてくれる。



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  • レイバン

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