国際識字文化センター (ICLC)

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zoom RSS なぜICLC活動を行っているか?

<<   作成日時 : 2010/02/07 01:06   >>

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1) 社会の中で最も虐げられた情況に生きており、しかも最も識字を必要としている存在とは誰だろうか? そしてそれはなぜ?


これにはもちろんたくさんの答えがあろう。現在、全世界の総人口約64億人のうち約10億人以上の人々が非識字者と言われている。しかしこれは 15 歳以上の成人を意味するもので、学校に行けない子どもたちの数字はまったく含まれていない。 1998 年、私はパキスタンに滞在し識字教育を行っていた時、牢獄に入れられている多数の子どもたち(10 歳∼18 歳まで)を知った。

彼らの多くは、無知や貧困や犯罪や冤罪などの理由で、大人社会から徹底的に利用され、捕らえられ、そして監獄に長年閉じ込められていたのである。そして子どもたちの非識字が、いかに内面から希望を奪うかということも知った。わずか 10 歳や 15歳の子どもが、知識や情報の届かない塀の奥深くから、どんなに塀の外や世界のことを知りたいと叫んでいることであろうかと思った。

「本が読みたい!もっともっと知識を学びたい。無知や冤罪から逃れたい!」この問題はアジア・アフリカなどにおいて、多くの国々に共通している深刻な課題である。大人の諸矛盾がすべて子ども世界を直撃している。そのため文字を学べると同時に多数の絵本や読み物に接することができるように、(そして識字者にはコンピューターの活用までできる場として)キラン図書館(キランはウルドゥ語で太陽の光の意)の設置を思いたった。そしてたくさんの協力者によって 2000 年、ラワルピンディに第1号のキラン図書館が設置されて以降、2003 年、2004 年には大きな飛躍が実現した。

それは 2003 年ムルタンの地に、日本・パキスタン協会の「美穂子基金」より 2 人の代表が訪れ、50 万円の寄付をされたことで、女性のための新しいのキラン図書館が完成したことである。また 2004 年には日本・パキスタン友好基金を支える会(鈴木斌代表、東京外語大名誉教授)の寄付によって、砂漠に近いファイサルバードの地に新しいキラン図書館が完成した。
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鈴木斌氏は、ICLC の設立当初から会の大きな支柱として全面的に協力下さっており、2000 年には実際にラワルピンディのキラン図書館を訪問されている。また2003 年には、ミャンマーの首都のヤンゴンに、子どもたちのためのキラン図書館(ミャンマー語でヤウンチ図書館)が 2 館設置された。こうした活動を通じて ICLC は、劣悪な環境の中で、文字の読み書きができない子どもたちに向けての識字活動や図書館活動を、ヒューマンリテラシーの大きな課題としてとらえている

2)ICLC が識字教育を実践するために重要と考える識字教材で、最も緊急に必要な読み物は何か?

そしてそれはなぜか?識字教材にはさまざまなものがあるが、ICLC が緊急に必要だと考えたのは、まずインドとパキスタンなど、相互が核を持って対峙し憎しみあっている関係を、どうやって相互理解の心に変えていくか、特に相互の国における子どもの意識をどのように変えていくかについてである。それぞれの国には宗教や政治のからんだ相互を憎しみに導こうとするものはたくさんあるが、平和に向けての本は絶対的に不足している。そのためインドやパキスタンの絵本作家、編集者などと共同で、国境を超えたカシミール平和絵本を生み出す計画を実施してきた。次のイラストは、インドやネパールから送られてきた「平和絵本」の内容である。

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また現在ではスリランカのシンハラとタミルの子どもたちのための絵本の共同出版や、日本・韓国・中国などの歴史の共同出版計画についても検討が始まっている。ヒューマンリテラシーとは、観念的な平和ではなく、具体的な絵本を通じていわば感性を通じて子どもたちの内面に平和を築いていくことである。3)ICLC プログラムに、「笛と語り」「朗読」など言葉を使った創作活動が含まれているのはなぜか?識字(リテラシー)を読み・書き・そろばんといった基本的な機能から、さらに人間活動における幅広い役割を果たすものとしてとらえ、音声にした言葉などによる表現行為や文学作品などの芸術活動も視野に入れようとしている。


そのため、2001 年にはベルリン文学祭に、2003 年には南アフリカ文学祭で「物語での朗読」を行い、多数の子どもたちに創作物語のおもしろさを語った。そして 2004年 4 月には東京で、林洋子さんと劉宏軍(リュウホンジュン)さんの共演で「笛と語りの会」を開催し、大きな反響があった。10 月には京都と広島でも、創作物語「コンキチ」の語りが行われた。そしてホフマン(米国、音楽家)とパジパイ(インド、舞踏家)のさびしい狐が5回上演された。さまざまな物語の語りを今後も継続していくつもりであるが、新たに「詩と音楽」、「沈黙と演劇」「子守唄」など言葉や音を介したさまざまな試みに発展させていくことも考えている。


4)ICLC は日本国内の子どもたち向けに、どのようにヒューマンリテラシーの活動を展開しようとしていますか?

日本の子どもたちは、途上国の子どもたちと問題の性質は違うにしても、大きな課題に直面している。それはチャットやインターネットなどのヴァーチャル世界への傾倒に代表されるように、人間同士の直接のコミュニケーションや会話など、いわば生きた触れ合いが極端に少なくなっており、生のことばや接触を失ったコミュニケーションがいたるところで進行している。そのために ICLC は現在、絵地図分析という文字や絵を使った新しい分析方法のワークショップを開始している。

絵地図分析とは単純に言えば、人それぞれが今、人生のどこにいるか、何をしようとしているか、立ちふさがる問題や煩悶をどうやったら解決できるか? そのためのアクションとは何かを自分自身の力で絵地図のなかに書き出し自己分析を行いながら、自分の力で具体的に実践していく方法である。絵地図は、自分自身の過去・現在・未来の自分と向き合いながら、多様で多彩な自分自身の可能性をどうやって心の中に打ち立てるかというもので、いわば自分自身と誠実に向き合って自分自身の心や精神のありようを文字と絵で表現しようというものである。これまでに中国、インド、パキスタン、ビルマ(ミャンマー)、ネパール、韓国、日本などで開催されている。
これは新しい教育学としてヒューマンリテラシーの根底の方法論にしたいと思っている。

5)国境を超えて知識や伝統技術などを、相互が共有し効果的に伝播しあうためにはどのようなことができるのか?

ICLC での具体的な知識技術の実践とは?これに対する答えもさまざまにあろうが、ICLC では、自然の素材やリサイクルの素材を使った紙漉き技術を、アジア各国の農村の人々に教えてきた。
ある国では大規模に普及している普通の技術や知識が、別の国に伝わると多くの人々を助けることがある。その一端として、紙漉きの技術は、これまで自らの手で紙漉きを行うことなど知らなかったパキスタン社会のさまざまなグループに大きな影響を与え、2003 年にはイスラマバード市で、2004 年 6 月にはラホール市の芸術大学で上級者向けの紙漉きのワークショップを開催した。2009年にはインドのラージャスタン州の砂漠地帯で、紙すきの講習会を行い、それは日本テレビの24時間テレビで紹介された。

またパキスタンのアフガニスタン国境に近い少数民族のカラーシャの村では、その村に在住のわだ晶子さんの指導で、多くの人々が紙漉きを始めており、彼らの文化をはじめて紙の上に絵で表現している。また子どもに対する性的虐待を防止しようという NGO であるパキスタンの「サヒルの会」は、紙漉きで制作したハンディクラフトが大きな収入源になるまでに紙漉き技術を磨いた。またリサイクルの紙漉き方法の普及は、現在では、パキスタンの学校教育の現場にも大きく広がり、創造的な教育を作り出すことに広く活用されている。そして国立盲学校でも取りれられるようになり大きな広がりを見せている。


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